今月から税務署へ希望を出された個人事業者の方に対し、記帳指導をするため、個別訪問を開始しました。もちろん記帳指導希望者にとっては、無料で経理指導を受けることができ、また税理士という専門家と接することができるといったメリットがあります。私にとってもこの記帳指導を通じて、多くの事業者と接することができ、大変勉強になります。
皆さんお忙しいので、帳簿つけは通常優先順位が下位になってしまい、夏休みの宿題ではありませんが、確定申告期に必死にまとめる方が多ような気がします。正しく帳簿をつけるには、「すぐ処理する」「専門家(もしくは第3者)にチェックしてもらう」ことが大事です。「専門家のチェック」は費用の問題がありますが、上述した記帳指導など無料で受けられるものもあります。「すぐ処理する」というのは気持ち一つでできるはずです。
すぐ処理できない方は、経理はやっても売上(利益)は上がらないと考えておられる場合が多いです。確かに直接売上が計上されるわけではないのですが、帳簿には今後の事業運営のヒント(情報)がたくさん詰まっています。正確でタイムリー(適時)であればあるほど有効です。ちなみにこのすぐ処理する体制を整えてあげたり、帳簿から事業運営上のヒント(情報)を明確に抽出し、提示・提案するのが私が日々おこなっている業務です。同じ情報でもその活用の仕方(もしくはその情報に気づくかどうか)など、ちょっとしたところで差が広がります。あくまでも個人的感覚ですが、うまく活用できている方は、不況に入ったといわれている昨今でも、順調に事業を伸ばしているところが多いように感じます。
このような記帳指導などは、ぜひ積極的に活用していただきたいと思います。地域は異なっても同じようなことをやっているはずです。希望される方は、地元の税務署や商工会議所、税理士会(支部事務局)などに問い合わせてみてください。